住まなくなった住居は、痛みも早く、資産価値は下がる一方です。人が住めば、換気が良くなり、動物も住み着きにくくなります。日々のメンテナンスに目が行き届き、雨漏りや壁の剥がれなどにも早い対応ができますから、住居は長持ちします。リフォームするにも、傷みが増えれば改修費がかさみます。
売却や解体は早ければ早い方がいい!
「将来、ひょっとしたら自分や子供たち、あるいは孫たちが住むかもしれない」と思うかもしれませんが、その時はリフォームしてきれいな状態で住めるようにすると考え、それまでの間、少しでも良い状態を保つために期間限定の賃借を考えてみてはいかがでしょう。
空き家にしておく理由って?
- どうしていいかわからない
売るにしても賃貸するにしても、メンテナンスして維持するにしても、将来の方針を決めて関係者の意見をすり合わせて、なるだけ早く対応することが重要です。すばやく対応できるように登記はしっかりしておきましょう。 - 以前使っていたものや仏壇などがあり、物置として必要
物件の条件(価格・状態・立地など)が良ければ、現状渡しとして売る交渉が可能です。ただし、仏壇は対処を嫌がられますので、相応の対応が必要です。 - 解体費用をかけたくない
古くなるほど売りにくくなり、リフォームするにも解体でも、遅くなるほど費用は膨らみます。土地の価格が安い七宗町では、建物の解体や修繕にかけた費用の回収はなかなかキビシイところがあります。しかし、危険家屋になると周りに迷惑をかけ、損害賠償が発生する可能性も出てきますので、できるだけ早く対処する方が結果的に得です。 - 将来、自分や子供、孫が使うかもしれない
空き家にしておくと劣化が進むのが早くなります。どのみち使う時期にはリフォームが必要でしょうから、期限付きで賃貸するなどをした方が、家は長持ちします。 - 取り壊すと固定資産税が高くなる?
ちまたで言われているように小規模住宅用地の適用が外れて単純に6倍になるわけではありませんし、評価額が低い七宗町では固定資産税は低く、むしろ立派な家や鉄骨の倉庫の方が評価が高かったりしますから、その差は小さく、むしろトータルで安くなることもあります。
空き家放置のデメリット
- 倒壊の危険
周辺に影響を与えた場合、損害賠償を求められます。となりの家はもちろん、電柱や信号などに被害を出すと大変なことになります。強風で屋根が飛ばされたり、落下物でケガや破損という事態も容易に想定できます。 - 防災や防犯の低下
犯罪者の侵入や放火の危険が増します。容易に侵入できる状態で空き家を放置すると、何かあった場合に責任を問われることになります。 - 衛生状態の悪化や悪臭の発生
不法投棄されたり、害虫や害獣の巣と化した場合、景観を損ねるだけでなく匂いや獣害などで近隣に迷惑をかけることになります。 - 対処コストの増加
古くなるほど改修費もはね上がり、倒壊の危険がある建物ともなれば取り壊し費用も高くつきます。 - 資産価値の低下
定期的な換気やチェックをしないと雨漏りやカビ等による建物の劣化が進み、売りにくくなるばかりか、メンテナンス費用が膨らんでしまいます。
注意!:危険家屋は解体費用も高くなる
屋根や柱に歪みが生じ、倒壊の危険がある家屋は、解体費用も高くなってしまいます。解体時に出るゴミは、分別できればリサイクルに回せるもの、安く廃棄できるものなどが区別できます。しかし倒壊の危険がある家屋は立ち入りできず、中から燃えるゴミや家電、家具などを運び出すことができないので、重機で壊してトンあたりいくらという高い廃棄物処理料金を支払うことになります。ましてや重機が入れないところは、すべて手作業となって、解体費は膨れ上がってしまいます。
注意!:空き家を放置すると固定資産税が6倍に
危険家屋を放置すると、特定空き家に指定され、固定資産税が6倍に跳ね上がります。次のような家屋は「空き家対策特別処置法」に基づき、特定空き家に指定されてしまいます。
- 倒壊の危険がある物件
- 衛生環境が悪い物件
- 適正に管理されていない物件
- 周辺住民の苦情が多い物件
注意!:行政代執行は結果として高くつく
行政代執行は、自治体が空き家の所有者に何度改善を要求しても対応しない場合、所有者に代わって建物を解体したりすることです。後日、解体費用は所有者へ請求され、支払わない場合は不動産などの財産を差し押さえ、競売にかけることができるというものです。
解体の費用は、業者によってかなり差が出るものです。自分でやれば複数社から見積もりを取り、費用を抑えることができますが、行政代執行ですと自分で頼むより確実に高い費用になってしまうでしょう。また、行政代執行はサラ地にしてくれるわけではなく、倒壊の危険等を取り除くことが目的ですので、基礎などはそのままという場合が多く、解体が2 度手間となったりします。